2012/11/29

須田悦弘展&須田悦弘による江戸の美

須田悦弘展&須田悦弘による江戸の美@千葉市美術館

緻密で可憐で儚げなんだけどしぶとそうでもある。須田さんの手から造られる木から生まれた植物。
目を惹かれずにいられない美しい花々だけでなく、みんな何処や彼処で見たことがあるのに名前もしらない雑草であったり、美しい花もただ美しいだけでなく、虫に食われていたりと一癖あって面白い。
面白いのは作品だけでなく、展示方法も趣向が凝らされている。
細長い空間にの奥で待ちかまえている花に向かってずんずんと近づいて行く。空間の狭さ、作品が良く見えて来るにつれ少しずつワクワクと緊張が高まる。
茶室のようなにじり口から入ると漆で塗り込められた空間に鎮座する花。ピカピカの漆の壁に映る姿も実物とは違う見え方で面白い。
雑草は雑草らしく咲いたり、つり下がっている物、宙に浮いている物、風に吹かれて舞い込んで来たのかと思わせる物、何処に隠れているのか。探し当てても気づかないかもしれない。でもそれはそれで最大の賛辞であるのかもしれない。

須田悦弘さんチョイスの江戸の美、一枚一枚ケースに入れられ真上からいろんな角度で堪能できる。
こちらも展示方法が凝っている。江戸絵画と須田作品のコラボも一体感が面白くて素晴らしくて堪らない。
屏風に描かれた椿が、今まさに落ちたように見えるものや、雀の視線の先に置かれた目を疑うような作品など、会場全体が宝探しをするような雰囲気もただよっていて本当に贅沢で楽しい展覧会だった。

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