2011/09/11

酒井抱一と江戸琳派の全貌

酒井抱一と江戸琳派の全貌
姫路市立美術館 2011/8/30-10/2

本展は抱一が平成23年(2011)年に生誕250周年を迎えることを記念し、戦後初めて酒井抱一と江戸琳派に本格的に取り組み、現在の抱一研究の活路を開いた小林忠千葉市美術館館長を筆頭として、抱一の地元である姫路市立美術館、抱一及び江戸琳派のコレクションで随一の細見美術館の三館が研究・企画協力。抱一の代表作である「夏秋草図屏風」(重要文化財)をはじめ「風神雷神図屏風」など計約270点を3期に分けて展示する過去にない規模で、抱一と彼の率いた江戸琳派を多角的に検証しその全貌を明らかにします。

抱一の「風神雷神図屏風」が第一期(8/30-9/11)で展示が終わってしまうので観てきました。
俵屋宗達が描いた「風神雷神図屏風」(国宝)を尾形光琳が模したものを模した物。
私は初「風神雷神図屏風」だったので、きらびやかな中に勢いよく描かれている神々が
強烈で圧倒されたのだけれど、すぐにその感動は上書きされる。
抱一の弟子、鈴木其一が描いた「風神雷神図襖」。
屏風ではなく襖絵であるし、模写ではないので、背景も金箔ではなく暗澹たる墨色。
墨色の中に暗雲をまとう風神雷神は鳥肌物でした。

抱一展に行っておきながら、思い返すのは其一のことである。
「萩月図襖」、そしてなんといっても「芒野図屏風」
風が抜けていくのを感じるような素晴らしさでした。

抱一の大きな作品の中にはちょっと大味な感じを受ける物もあったけれど、
それでも「四季草花図雛屏風」や「十二ヶ月花卉図短冊」などは
鮮やかで緻密で素晴らしかったし、「月夜楓図」の静謐な夜も素晴らしかった。

尾形光琳の「風神雷神図屏風」の裏に描かれた抱一の「夏秋草図屏風」(重要文化財)
は第三期(9/21-10/2)の展示。もう一度行かないと。

「月夜楓図」をモチーフにした「十六夜」
「青楓朱楓図屏風」をモチーフにした「つた紅葉」

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