2011/04/01

対談:谷口吉生・杉本博司


丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催されている「杉本博司 アートの起源|建築」
関連プログラムとして開催された対談。
谷口吉生さんは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館をはじめ、香川県立東山魁夷せとうち美術館、
東京国立博物館法隆寺宝物館、豊田市美術館、ニューヨーク近代美術館新館
などを手がけられている建築家である。
写真家杉本博司さんは、無限の倍という焦点距離を設定して
焦点があわない<建築>シリーズなど、建築に関わる作品だけでなく、
直島の護王神社や、IZU PHOTO MUSEMUの内装など実際の建築にも活躍の場を広げられている。

建築は人や物、情報の器なので頑張って建築だけで見せようとすると駄目。
とおっしゃる谷口さんは、敷地の形状や法規的な制約を打破していくことにより
面白い物が出来るのだと。
方や杉本さんは展示にあわせて間仕切りやらレイアウトを考えていく内に
建築に手を出さずにはいられなくなったと言われるように、
自分の思い通りの形を創造していこうとすると法規的なものは
足かせになることが多いよう。防煙バカタレとの迷言も飛びだしていた。
このように建築に対するスタンスも違い、杉本さんの建築についての認識不足もあり、
ややかみ合わない所もあったように思われる。
それでも谷口さんの話を聞ける貴重な機会であったことは間違いない。

●今回の地震について
は想定を超える時代が来るということを想定していなかった。建築の責任はとても重い。
そして無力感を感じた。
地震の翌日、関東で(東京で?)設計した物全部見てきた。
葛西臨海水族園の液状化が一番怖かったが大丈夫だった。
液状化を懸念していたのでなるべく単純な形でバランスが良い建物にした。
60mの杭を打っているそう。

●20周年になるMIMOCA
外壁は黒くて光らない硯のような石をさがしてイギリスへ。
吸水率など耐久に対する検討もしたが、外壁に斜めの線が浮き出てきた。
なんとか消そうとしたが猪熊さんがこの方が面白いと言ってくれたのでそのままになっている。
建築は人とか物とか情報の器なので頑張って建築だけで見せようとするとだめ。
MIMOCAも最初ちょっと大きな箱みたいで心配だったが、
猪熊さんの作品が入ることによりよい感じになった。

杉本さんは現在計画中の小田原の建築について、石の選定や積み方などの話を
されていましたが、正直退屈でした。谷口さんを前にそんな話ちょっともったいなくないですか?
<建築>シリーズについての話をもっと聞きたかった。

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